TQMとかQCサークル活動って、結構多くの会社で導入されていますし、言葉としては聞いたことがある人も多いかと思います。
でも、その成り立ちって知っていますか・・・?
W・エドワード・デミング博士って知っていますか・・・?
この事を知ると、更にTQMとかQCサークル活動の事が、理解できるようになると思います。
理解できれば、更に活動そのものが楽しくなりますので、参考にしてみてください。
目次
W.エドワード・デミング博士に学ぶ
第二次大戦後の日本は、工場は破壊され、食料や原材料は不足し、日本人は貧困のどん底にあった。
急激な日本製品の品質向上、輸出向上などと日本の高度経済成長を可能にした人物が、このデミング博士なのです。
このデミング博士いわく、「組織の問題の90%は仕組み・制度に関わる一般的問題である。」と仰っています。
更に「わずか10%が人に関わる個別の問題である」とも言っています。
多くの経営者、管理職はこの言業を誤って解釈し、組織構造や制度を正せば、人に関する問題も消滅すると考えていますが、これは全くの誤解です。
しかし、その逆は正しいと思います。
人に関わる10%の問題を先に解決すれば、他の90%の問題は消滅します。
なぜなら、「人」が組織の「戦略」,「構造」、「制度」、「スタイル」を生み出しているからです。
これらは、人々の手足であり道具でしかないのです。
したがって、ハイクオリティー組織を創造するための鍵は、まずハイクオリティーな人材、自然の原則・原理を解し、これを活用できる人材を育成することになります。
デミング博士の原則
デミング博士の原則に、『成功の共通分母は、強く、心をかき立て、導き、啓発し、精神を高揚きせる「目的」である。「目的」が明快に頭にセットきれたならば、「目的」を意識してスタートするならば、その「目的」が全てを導く。「目的」が創造力を解放する。潜在意識を引き出し、記憶や内容を引き出す。そして、記憶からではなく「イマジネーション」をもとにして働くようになる。過去に縛り付けられ限定されることなく、将来何が可能かをかぎわける嗅覚・センスを獲得することができる』という原則があります。(ちょっと長い・・・)
エドワード・デミング博士の経営哲学によると、生産はひとつの完全な組織と見なされます。
この組織では、最も優れた(必ずしも最も多くではない)製品を生産するために、企業内の全社員の完全な協力(競争ではない)が必要とされます。
デミング博士は、企業方針は最高経営者の見解ではなく、顧客が何を望んでいるかを出発点に考えるべきだと言いました。
そして顧客が望むものとは、信頼できる品質につきるとデミング博士は確信していました。
1950年に日本にデミング博士を招聘した日本の科学者および技術者の組合は、彼の主張が、いかに重要かを理解していました。
デミング博士の8日間にわたる第一回目のセミナーには、企業の役員を含め200人以上の日本人技術者が参加したようです。
デミング博士は、市場から長期的に利益を生むには、品質の高い製品が必要だと強調しました。(ちなみに1951年から、日本は優れた製品を作り出した企業に、栄誉あるデミング賞を授与し始めました。)
日本企業を相手に闘う米国企業が、日本の高度成長を見て彼の話に耳を傾けざるを得なくなる1970年以降までは、デミング博士は本国米国ではほとんど無名でした。
1900年アイオワ州で生まれ、ワイオミング州で育ったデミング博士は、開拓時代末期の経験から、協力によってもたらされる、誰にとっても有利な状況(彼が好んで使ったWin-Winの状況)の重要性を学びました。
しかし、米国企業が強調したのは競争理論でした。
米国企業が世界の頂点に立てるのも、熾烈な競争という米国の伝統があるからこそだと彼らは信じました。
当時、戦時中に閉鎖されていた累積需要と冷戦時の軍事調達の急増によって、米国企業には無限の市場が保証されているかに思われたからです。
その需要を満たすために、米国の経営者たちは、1900年代初期のフレデリック・テーラーによる時間と作業能率との相関調査に基づく大量生産を強調しました。
それは生産過程を無情にもバラバラにし、個々の生産部門を強調して圧力をかけるものであったそうです。
デミング博士は、テーラーのこうしたやり方を非難しました。
テーラーの科学的経営管理は品質よりも生産量を重視し、また個々人が全生産体系の重要な要素であることを見落としているとデミング博士は信じていたのです。
また、社員同士を対抗させるとして能力主義をけなしました。(今の日本の経営者に聞かせたい・・・)
デミング博士が、中でも特に重視したのは長期的展望であり、1年後、5年後、10年後はどうなるのかを見据えることが大切だと主張しました。
このアプローチをすぐさま採り入れたのが日本企業だったのです。
これに反して米国企業のほとんどは、四半期毎、あるいは半期毎の損益報告に固執しました。
加えて日本企業は、工場長を経営の意思決定に参画させることを提唱した、オハイオ州クリーブランドの経営専門家、ローウェル・メランの考え方を採用し、デミングの理論を実践に移しました。
さらに終身雇用、年功序列賃金、労使協調といった新しい制度の導入によって、日本の生産性は急増したのです。
日本は安定を約束する終身雇用、労働者の確保につながる企業内労働組合、破壊的な労働者間の対立を終わらせる年功序列賃金、そしてデミング博士の手法が要求した最大の協力を重視しました。
また年度末の賞与制度によって、社員に企業の利益に関心を持たせると同時に、リスクを所有者だけでなく社員へも分散させることにしたのです。
そしてTQMへ
1970年代に入り、その統計的手法を基礎とした品質管理を、経営全般に採用すべく、全社的品質管理として、TQMという言葉が用いられデミング博士の下、始められました。
日本のこの世界に誇れるTQMについて、1970~80年代にかけて、アメリカでは日本に学べとばかり、続々と見学に押し寄せました。(*'▽')
TQMとは、総合的品質管理(Total Quality Managementの略)のことであり、世界的に評価を受けている経営手法の一つです。
このTQMは人間尊重と和の精神に基づいた経営の考え方であり、QCサークル等のチーム活動により、勤労者に自己実現及び仕事の喜びを享受する機会を与えると同時に、彼らの勤労意欲及び創造性を最大限に発揮させる事により、組織体の競争力を付けようとするものなのです。
次回
では、TQMとQCサークル(小集団活動)とはどのような関係があるのでしょうか?
よく、QCサークルはTQMの基盤となるものと聞きますが、お互いにどの様な役割を担っているのでしょう。
次回は、この事について事例を交えながら説明していきます。
最後に告知です。
無料のメールマガジンを始めました。
興味がある人はこちらから登録をお願いいたします。
まずは無料でお問い合わせ下さい
お問い合わせは無料です。
何かに悩んでいたら、スグに相談してください。
簡易相談
電話・メール・On-lineでのコンサルティング・コーチング
多くの方が、コンサルティングやコーチングを受けて成果を出しています!
悩んでいる時間は、非常に勿体ないです。
スグに問題は解決していきましょう!(※解約はいつでも可能ですのでご安心ください)
ランキング協力のお願い
ブログランキングに参加しています。よかったらポチッと
応援よろしくお願いします。m(_ _)m