目次
幸せになりたい?だったら原始時代からやり直せ!第8回です。
■前回のあらすじ
リョクとオトリが、トラプを誘って3人組の「ブショ」が結成されました。
そこで、リョクが「ある提案」をします。
それは…ブショとしてのルールだというのです。
はたして、どのようなルールなのでしょうか。。。
ご意見ご感想は、記事の下からお願いします。
第一のルール(信頼と信用)
リョクは大きく深呼吸すると、ゆっくりと慎重に話し出した。
【仲間を信頼し、自分の得意な事に集中・専念する】
「これは助け合わないって意味ではないから誤解しないで欲しいんだけど、僕らは他の人達みたいに平均的に優れてるわけじゃない。良かれと思って手を出した事が、逆に足を引っ張る事になるかもしれない。だから、それぞれ自分には足りない能力を持った仲間を集める事にした。そうだよね!?」リョクは2人に確認するように言った。
二人は大きく頷いた。
「であれば、仲間の役割は信頼して任せてしまい、自分の役割に専念した方が結果的に上手くいくと思うんだ。」リョクは言った。
リョクの話を聞いた二人はなるほど、と思った。
確かにその方が上手くいく可能性が高そうだ。
なぜなら我々は、それぞれに得意な事が違う。
でも得意な事以外は、逆に平均以下なのである。
「小さい頃、兄のソウとよく狩りの練習をしてたんだけど、よく心配されてね。今は、心配どころか赤の他人のように冷たい感じなんだけど・・・、昔は違ったんだよ。で、いろいろと思い出して考えてみたんだ。心配してくれてた頃の兄は、僕が出来ない事はもちろん助けてくれたんだけど、僕が出来る事まで心配して助けようとしてくれてたんだ。その時決まって言うのが『心配だから』っていう言葉だったんだよ。」リョクは少し悲しそうに言った。
「心配してくれるのなら、良いお兄さんじゃないか。それのどこがイケないんだい?」オトリが不思議そうに尋ねた。
「心配してくれるのは、もちろん嬉しいんだけど、心配してるって事は『信頼していない』って事でもある、と思ったんだ。結局、兄も何度か心配してるって言いながら手助けしてくれるんだけど、あまりにも僕が兄が期待するように出来ないと、次第に諦めていくんだよ・・・。そうなってしまったら、もう心配どころか関心すらしてもらえないんだ。」リョクは昔を思い出しながら語った。
その表情は少し落ち込んでいる。
しかし二人は、リョクが結局何が言いたいのか解らないためか、難しそうな顔をしている。
「ごめん、ごめん。僕が言いたいのはね、『信用と信頼は違う』って事なんだ。『信用』は、何かの条件だったり、期待が込められている場合が多い、だけど『信頼』は、何も条件を付けないし期待も込めないんだよ。」表情が少し回復したリョクが言った。
「もっと分かりやすい例で教えてくれるかい?ちょっと難しいな。」オトリは未だ理解が出来ないようだ。
信用と信頼について
「例えば狩りに行ったときに、僕はコッチを見てるから、仲間にアチラの方向を見てて、と言ったとするよね。」
「頼んだのだから、アチラの方向は全く気にならない。アチラの方向からコチラの方向に獲物が歩いてきたとしても、何でちゃんと見てなかったんだ!とも思わない。相手を信じて逆に自分の事に専念する、これが信頼。」
「逆に、仲間にアチラを見ているように頼んだのにも関わらず、仲間の方向から獲物が来るんじゃないか?仲間が獲物を見逃すんじゃないか?と気にしてチラチラ見てしまい、自分の事にも集中出来ない、これが信用。」
「信頼も信用も、どちらも『信じる』という事だと思うんだけど、信じ方が条件付きなのか、無条件なのか、で大きく違うと思うんだ。僕らのブショは、仲間を『信頼』するチームにしたいんだよ。」リョクは自分の考えを力説した。
二人は、しばらくの間深く考えていたが、やがて何か腑に落ちたような表情を浮かべた。
だがその直後、また困惑したような表情を浮かべた。
そして、その困惑の理由をトラプが話し出した。
「信用と信頼については分かったワナ。それで、さっきの兄さんの心配の話と、どう繋がるワナか?」
「うん、それはね・・・。これも伝わりにくいと思うんだけど、『気にしないのと関心がないのは違う』って事なんだ。」
「①仲間に任せた(信頼)②結果が悪かった③お互い出来る事をしたのだがら気にならない。というのと、①仲間を心配する(信用)②結果が悪かった③期待してたのに出来ないなら、もういい(関心をなくす)。という違いを言いたかったんだ。つまり、心配するって事は本当の意味では信じていない、って事だと僕は思うんだよ。」リョクは信頼と信用の違いについて話した。
確かに本当の意味で信じていたら、仲間はその任務をやってくれると信頼していたら、自分の任務のみに集中すれば良い。
もちろん仲間は信用しているのだけれども、本当の意味で信じきれていないから、仲間の事が心配になる。
それは、その通りだと二人は思った。
「じゃ、今度は二人がブショの決め事を言ってみて。自分が思った事、したい事を自由に言えば良いから。」リョクは分かって貰えて嬉しそうに話した。
二人はしばらく考えていたが、やがてオトリが話し出した。
※次回に続きます。ご意見ご感想は記事の一番下のフォームよりお願いします。
無料メールマガジン
ランキング協力のお願い
ブログランキングに参加しています。よかったらポチッと
応援よろしくお願いします。m(_ _)m
[contact-form-7 404 "Not Found"]