目次
幸せになりたい?だったら原始時代からやり直せ!第10話です。
■前回のあらすじ
リョクとオトリとトラプの3人は、ブショを結成しました。
そして、リョクが第1のルール
【仲間を信頼し、自分の得意な事に集中・専念する】
を提示し
オトリが第2のルール
【仲間を批判しない、自分を自慢しない】
を提示しました。
次はトラプの番です。
一体、どんなルールを提示するのでしょうか!?
第三のルール (挑戦し改良する)
【何でもやってみる、そして改良する】
「僕は仕掛けを作って、それで狩りをしているのは話したワナよね。それで、いつも思う事があるワナけど、どんな仕掛けも最初は上手くいかないワナよ。」
「でも、それがどうして上手くいかなかったか、獲物の習性や仕掛けの仕組みを、何回か考え直して挑戦していくと、いずれ上手くいくようになるワナ。」
トラプは自分の狩りの経験を思い出しながら話した。
「ふぅ~ん、見ていると立派な仕掛けだけれども、この仕掛けも何回かの試行錯誤があるんだね。」リョクは感心して話を聞いた。
「そうワナ。最初から上手くいくと思って仕掛けを作ったり、絶対だ!と思って、狩りで使用したりするんじゃないワナよ。上手くいくか失敗するかは、やってみないと解らないワナ。」
「だから僕からのルールの提案は、まず挑戦してみる事ワナ。そして上手くいっても、上手くいかなくても、どんどん改良していく事ワナ。」トラプは少し誇らしげに答えた。
トラプの話を興味深そうに聞いていたオトリが、少し驚いたように答えた。
「う、上手くいっても改良するの?」
トラプは過去を思い出すように言った。
「僕も最初は上手くいった仕掛けは、そのまま狩りで使い続けてたワナよ。だけど獲物もバカじゃないワナから、最初は上手くいっていた仕掛けも、だんだんと失敗するようになるワナ。」
「仕掛けを使った狩りも、何だか難しいんだね。オイラはもっと簡単だと思ってたよ。」トラプは、とても感心したようだ。
「大事なのは、失敗する事を恐れずに、まずは挑戦する事ワナ。だから失敗したとしても、仲間を責めるような事はしないのが良いワナ。失敗したって事は挑戦した証ワナからね。そうして失敗を重ねて、どんどん改良していった事は、後で生きてくるワナよ。」トラプは実際の経験から答えた。
ルール確認と新たな旅立ち
リョクとオトリは、トラプの提案が大変素晴らしいものだと思った。
まさに経験から出た言葉だったからである。
二人は直ぐにトラプの提案をブショ内のルールとして採用した。
そして三人は、改めてブショ内のルールを確認した。
【仲間を信頼し、自分の得意な事に集中・専念する】
【仲間を批判しない、自分を自慢しない】
【何でもやってみる、そして改良する】
三人は、まだブショとして狩りに行く前であったが、すでに狩りを終えて帰ってきたほどの充実感を感じていた。
三人は準備が整い次第、次の狩りにはブショとして行動する事を約束し、それぞれの家へと帰っていった。
リョクは一日を振り返りながら家路についた。
兎にも角にも、今日は大変な一日であった。
初めての本格的な狩り。
そこで見た兄ソウの狩りの動き。
村へ帰ってきてからの惨めな気持ち。
このまま気を落として眠りにつくのかと思って、自暴自棄にもなりかけた。
実際、少しはそうなっていた。
しかしその後、信頼できる仲間と出会えた。
それも二人も。
そして自分達で作ったブショ。
今日一日の前半は暗く惨めな事が多かったが、後半の夜は明るく希望に満ちた一日だった。
リョクは、思った。
物事の結果は変わらない、しかし結果に対する受け止め方は、如何様にも変わるのだ、と。
今日出会った二人の仲間が居なければ、二人と出会っていなければ、きっと今日は最悪の一日であっただろう。
狩りには失敗し、人々からはバカにされ悔しい気持ちで眠りにつく、考えただけでもリョクは恐ろしかった。
オトリもトラプも、それぞれに悔しい想いはして来たはずである。
しかし、それも今日までだ。
リョクはこれまでの人生で、こんなに希望と自信に満ちた日は経験したことが無かった。
リョクは家に着いたが、なかなか眠る事ができず、ワクワクしながらブショとしての狩りの準備を整えるのであった。
※次回に続きます。ご意見ご感想は記事の一番下のフォームよりお願いします。
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