目次
「幸せになりたい?だったら原始時代からやり直せ!」第3話です。
今回はカイシャ村の事を詳しく説明します。
ご意見ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。
カイシャ村の成り立ちと現状
ここでカイシャ村について、もう少し詳しく説明しておこう。
カイシャ村は非常に厳格なピラミッド構造による組織として構成されている。
村のトップは村長であるシャチョー氏が居る。
村長の代理業務や村長が病気などで仕事が出来ないときのために、副村長であるフクシャチョー氏が居る。
ちなみにフクシャチョー氏はシャチョー氏の弟である。
村長、副村長の回りを補佐するのがダイイチヒショーと、ダイニヒショーという女性だ。
この二人も姉妹である。
ヒショー姉妹が、村長・副村長のスケジュールを調整し、シャチョー村長やフクシャチョー副村長は、村の大事な話し合いや、他の村との話し合い、さらには村同士で結ばれる約束事である、「ケーヤク」と呼ばれる決まり事を決めてくるのが主な仕事である。
基本的に、この4人は対外的な仕事をしており、主にカイシャ村と他の村との縄張り(この地方では「シェア」と呼ばれる)についてや、狩場について乱獲禁止などの決まり事(この地方では「ドクセンキンシホー」と呼ばれる)などを決めてくる。
この事によって、カイシャ村がよその村々(一番近い村はキギョウ村)から侵略されることを防ぎ、また狩場を荒らされる事を防いでいるのである。
すなわち村民の安全と自由に貢献するのである。
しかし対外的な仕事が多いと、村内の事は詳細に確認することができない。
そこで村長・副村長の下には、村内の治安や生活に関するお目付け役が居り、上からセンムー氏、ジョームー氏、ブチョー氏の3人が居る。
以前は4人目にカチョー氏が居たのだが、あまりの激務に突然居なくなってしまった。
というのも、カイシャ村では、いま挙げたシャチョー氏、フクシャチョー氏の2人(ヒショー姉妹はシャチョーとフクシャチョーに食わせてもらっている)、センムー氏、ジョームー氏、ブチョー氏の3人の計5名は狩猟による肉の獲得を必要とせず、村民の狩猟した肉の何割かを受け取る事で、生計を成り立たせているのだ。
これは何故かというと、もともとカイシャ村はシャチョー氏とフクシャチョー氏の兄弟が、この荒れた土地に村を築いたのが始まりで、そのシャチョー氏とフクシャチョー氏を支える形で、村作りに貢献したのが他の3名である。
すなわち村長・副村長が、村の地盤を築き、他の村との話し合いを進めている中、狩猟により村の創成期を支えたのが彼らなのである。
カイシャ村は、非常に良い場所に位置しており、生活のための水場が多く、またこの地方で一番の狩場(彼らの言葉で「トーキョー」と呼ばれる)にも近い。
こうしたカイシャ村の環境を好ましく思った人々が、カイシャ村に入村する形で、カイシャ村は大きくなっていったのだ。
カイシャ村の規模が大きくなれば、厳格な組織としての構造が必要になってくる。
そこでカイシャ村では、狩猟により肉(彼らの言葉では肉を「カネ」と呼び、狩猟を「ギョーセキ」と呼ぶ)を多く獲得してきた者が成功者として認められる条件であり、ゆくゆくは上で紹介した3名の立場や、村長・副村長になれる事に繋がるのである。
そのため、狩猟が上手く肉を多く獲ってこれる若者が村内で認められる傾向があり、キョーソウの言う「モテモテのウハウハ」とは、こういう事を背景としているのである。
出発
さて、話をリョクとソウに戻そう。
リョクも、なるべく多い肉を獲るために狩りに出かけるの決心をした。
そこで兄のソウにこう言った。
「たくさん肉を獲りたいなぁ。できるか分からないけど、行ってみないと分からないからね。今年からカイシャ村の社会人にもなった事だし、まずは狩猟に行ってくるよ。」
リョクは背も高くなければ力も強くない、ごくごく普通の男性であった。
それに加えて喘息持ちで、あまり激しい運動は出来きない。
それに比べて兄のソウは、村でも非常に身長の大きな青年で、有名な力持ちだった。
リョクはソウに諦め顔で、次のように言われるのであった。
「お前みたいに何の取柄もないヤツが、たくさんの肉など獲れるものか!オレのように、たくましい男にしかたくさんの肉は獲れないよ。・・・ま、せいぜい頑張りな!」
そう言って、ソウも狩猟に出かけて行ってしまった。
※次回に続きます。
ご意見ご感想は記事の一番下のフォームからお願いいたします。
無料メールマガジン
ランキング協力のお願い
ブログランキングに参加しています。よかったらポチッと
応援よろしくお願いします。m(_ _)m
[contact-form-7 404 "Not Found"]