シンプルに生きる

幸せになりたい?だったら原始時代からやり直せ!#5

「幸せになりたい?だったら原始時代からやり直せ!」第5話です。

今回は、初めての仲間が出来ます。

 

ご意見ご感想は、記事の下からお願いします。

 

 

 


仲間を集める

(自分に出来ない事は仲間に補完してもらう)


オトリとの出会い

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リョクが村に戻ると、大きな人だかりが出来ていた。

その中心にいるのはソウである。

こんな大きなオオイノシシを獲って来たソウの事を村人達は羨望の眼差しで見つめていた。

ソウは自分の達成したことが、如何にスゴく、如何に素晴らしい事か、話せば話すほど村人たちの反応は歓喜に満ち溢れ、やがて自分がスゴイ事をしたのだと改めて感じていた。

 

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そして、今日のオオイノシシとの戦いの凄まじさを、リョクの情けなさを、大きな声で語るのであった。

 

 

それを呆然と眺めていたリョクであったが、村人の一人がリョクに気づき、リョクを大声で嘲笑しだした。

リョクは急に肩身が狭くなり、なるべく小さくなりながら、早くこんな時間は過ぎてしまえ!と思いながら、村外れの自宅へと向かった。

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青年との出会い


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リョクが苦痛に耐えながら村外れの自宅へと帰ろうとしていた時、軽蔑と嘲りの視線の外に奇妙な雰囲気の空間がある事に気づいた。

それは静寂や暗闇によく似た雰囲気であったが、よく見ると一人の青年が下を向いて座っているのであった。

 

周りに村人達は多く居たが、リョクにはその青年の周囲だけ空気が違うように感じた。

村人達も、それが当たり前かのように、青年がまるで居ないかのように普通に過ごしている。

 

 

リョクは、今日はこれ以上傷つくこともないし、仮に傷ついたとしても、落ちるところまで落ちてしまえ!という、半ば自暴自棄にも似た心境で青年の元へ行き、声をかけてみる事にした。

代替テキスト

「どうしたんだい?みんなは楽しそうにしてるよ。君はあそこへは行かないのかい?」

 

代替テキスト

「オイラはいつもココで座ってるんだ。だって獲物を獲ってくる事が出来ないから。

だから村人達からは、『役立たず!』って言われて、いつも無視されてるんだ・・・。」青年は寂しそうに答えた。

 

 

青年は話し相手の顔を見る事もなく、涙目になっていた。

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その様子を見ていたリョクは、自分がヤケになって話かけたという事が、急に恥ずかしくなった。

そして相手の気持ちを考えずに自分の憂さ晴らしの為、可哀想な自分の慰めたい、という欲求によって行動した事を深く反省した。

 

 

 

そして気持ちを切り替えて、今度は相手の気持ちを少しでも軽くしてあげよれたらと思い、優しく話しかけた。

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「僕だって一度も獲物を獲ったことが無いんだよ。ほら、あそこで皆に囲まれて話してるのが、僕の双子の兄さ。一体どうして神様は同じ双子なのに、こんなに違って作ったんだろうね。」

 

すると青年は顔を上げ、目の前の話し相手がリョクだという事に、この時はじめて気が付いた。

 

そこには優しい笑顔で話しかけるリョクの姿があった。

「え?そうなの?そ、それで君は平気なの?」青年はビックリした表情でリョクに問いかけた。

 

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「平気ではないけど・・・、比べても仕方がないからね。それよりも自分に出来る事を考えたいんだ。」リョクは青年への謝罪の気持ちもあって、少し照れくさそうに微笑みながら話した。

 

「でも、どうして君はそんなに明るく振る舞えるんだい?オイラなんて・・・」

ココまで聞こえてくる罵声に耐えながらも、優しい笑顔で語りかけてくるリョクの事が青年には理解できなかった。

 

「今日、兄の狩りの仕方をずっと見てたんだ。それで、僕には天地がひっくり返ったって、あんな狩り方は出来ないと思ったね。だって、もともと持って生まれた才能が違うからね。」リョクは恥じらいもせず自分には出来ない事を言い切った。

「・・・神様は平等じゃないよね。」青年は暗い顔で答えた。

そう言うと青年は、また顔を下に向けてしまった。

 

 

その様子を見ていたリョクは、明るい表情で続けた。

「僕は神様を恨むより、神様に与えられたコレ(自分の身体を指さしながら)で何とかする方法を考えなくちゃいけないな、って思ったよ。」

 

青年は少し表情が明るくなり答えた。

「へぇ~、君って変わってるね。でも、君といると何だかオイラの方まで、気持が落ち着いてくるよ。」

青年は、少し笑顔を取り戻したようだ。

もともとは明るい性格のようである。

 

 

 

「ねぇ、ところで君の名前は?」リョクが聞いた。

「オイラはオトリっていうんだ。見ての通り、身体は痩せてて力もないけど、身が軽くて足は速いんだ。」オトリは先ほどまでの暗い様子ではなく、リョクには明るく接する事が出来るようであった。

 

 

オトリは、背は高いものの体の線は細く、確かに身が軽く足が速そうな青年だった。

基本的には明るいが感情の起伏が激しく、それは怒りとしては現れないのだが、急に明るくなったり、暗くなったりする性格をしていた。

オトリは、いつの間にか明るい笑顔になり、先ほどより大きな声で話すようになった。

 

 

リョクもオトリの表情が明るくなった事で嬉しそうだ。

「へぇ~、そうなんだ。いいなぁ、僕は身も軽くないし、足だって速くないよ。それに長時間走るのも苦手だなぁ。小さい頃から喘息が酷くてね。運動は苦手なんだ。」リョクは素直にオトリの持っている才能を褒めた。

 

 

 

 

※次回に続きます。ご意見ご感想は記事の一番下のフォームよりお願いします。

 


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