目次
幸せになりたい?だったら原始時代からやり直せ!第9回です。
■前回のあらすじ
リョクがブショのルールを話しました。
それは「信用」と「信頼」は違うという事。
リョクのブショでは、仲間を「信頼」して狩りを行う事、それが第1のルールでした。
リョクから、それぞれのルールをブショに組み込もうと言われたオトリとトラプ。
彼らはどのようなルールを提示するのでしょうか?
今回は第2のルールです。
第二のルール (特別意識を持たない)
【仲間を批判しない、自分を自慢しない】
「オイラの自慢できる事は、身が軽くて足が速い事だけど、それ以外は他の人達よりも劣っていると感じてるんだ。カイシャ村で優れているとされるのは、狩猟が上手くて獲物を持って帰ってこられるヤツだけど、オイラのように身が軽くて足が速い事だけじゃ、狩りを成功させることが出来ない。だからオイラはいつも引け目を感じてたんだよ。」オトリは少し悲しそうに話した。
「それは僕らだって同じさ。僕なんか、さっきまで・・・、いや、今も広場ではバカにされていると思うよ。あの兄の弟だから、比べられて余計に恥ずかしい想いをしてるよ。」リョクはオトリを励ますように言った。
オトリの話す癖であるが、彼は本題を最後に話すタイプだ。
オトリの持つ気の弱さが、そうさせるのでろう。
いきなり結論を話すのではなく、みんなの様子を伺ってから徐々に結論を話す感じであった。
「うん、オイラ達は足りない部分をお互いに補うためにブショを作った。みんな何かが足りないのは当たり前なのだから、仲間の出来ない事を批判しないようにしたいんだ。」オトリの話し方はお願いしているようだ。
「それは素晴らしいワナ!オイラも賛成ワナ!」トラプが飛び上がって賛成した。
このブショ内では、何かが足りていない事は決して恥ずかしい事じゃない。
だからこそ批判もしない。
オトリの提案は、リョクとトラプの心をグッと掴んだ。
「それで、仲間の批判をしない事の裏返しになるのだけれども、自分が出来る事も自慢しない、という事も同時に提案したいんだ。」賛同してもらってオトリは嬉しそうに話した。
これを聞いた二人は、興味深そうに身を乗り出してオトリの言葉を待った。
「自分が出来る事を人に自慢する事は、自分にとっては気分が良い事だと思う。だけど逆に、聞かされている方は、気分が良いとは言えないんじゃないかな。オイラがいつも、『足が速い』って言い続けてたら、二人はどう思う?」オトリが2人に訪ねた。
「それは・・・、気分が良くないワナなぁ。だって足が速い人にそれを言われ続けると、自分の足が遅いって事を毎回認識させられるワナからね。」トラプは本当に気分が悪そうだ。
「そうか!自分の自慢する事は、人の批判をする事と同じなんだ!」リョクは手をポンっと叩いて言った。
「そう、さっきリョクが信頼と信用の話をしてくれて、オイラ思ったんだ。本当の意味で信じている、つまり信頼しているのであれば、人の批判も、自分の自慢も必要なくなるってね。みんなが、お互いを認め合っているのだから、わざわざ良いも悪いもお知らせする必要ないんだって。」オトリは自分が感じた事を2人に伝えた。
三人は、しばらく沈黙したまま、これまでに出たブショのルール、
【仲間を信頼し、自分の得意な事に集中・専念する】と
【仲間を批判しない、自分を自慢しない】
について、じっくりと考え話し合った。
そして1つめも2つめも、分業としての自分の役割に専念する事、成果に対する承認を求めない事、これらは僕らにとって非常に有効な、そして受け入れやすいルールだと思った。
もともと特別どころか、人並みの事すらまともに出来ない仲間の集まりなのである。
自分が特別優れている、優れている自分を特別扱いしてほしい、といったような感情よりも、お互いがお互いを認め合い信頼し合う、このような環境の方が居心地が良いのだ。
そして、逆に何でもこなせるマルチな人間ほど、この2つのルールは受け入れにくい事だろう、と三人は思った。
「じゃあ、次はトラプ、何かブショに対する提案はないかい?」リョクが言った。
オトリはしばらく考えた後、明るい口調で次のように話した。
※次回に続きます。ご意見ご感想は記事の一番下のフォームよりお願いします。
無料メールマガジン
ランキング協力のお願い
ブログランキングに参加しています。よかったらポチッと
応援よろしくお願いします。m(_ _)m
[contact-form-7 404 "Not Found"]