さて、皆さんは「ライフエンド設計」という言葉をご存じでしょうか?
ライフエンド寿命とは、製品又は機器に組み込まれた製品が市場で使用され、安全耐用寿命を超えて廃棄に至るまで使用されたとします。その際の安全配慮の対象とする寿命(使用年数・走行距離・使用回数など)の事をライフエンド寿命と言います。
経済産業省によると、近年、製品のリコール報告件数、事故報告件数が増加する傾向にあるそうです。
また、再生紙を始め 製品に関する偽装が相次いでおり、ものづくりへの信頼が揺らいでいます。
メイドインジャパン神話は…?
事故報告制度創設や社会的意識の高まり等を背景に、事故報告件数等が増加している面もあると考えられていますが、その原因の一つとして、競争の激化によりコスト削減等の効率化が優先され、「安全」や「信頼」に対する取組が不十分になり、またコンプライアンスの軽視につながっていることが背景の一つと考えられています。
ひとたび事故・事件を起こした場合には、経営を揺るがすほどの影響が出る可能性もあり、厳しい競争環境下で安全・信頼につながる取組を強化する上では、ものづくりの現場の努力だけでなく、経営トップの意志が不可欠であると言えるでしょう。
また、安全面の強化を図るには、企業単独での取組には限界もあり、サプライチェーンを構成する企業間での連携の強化や、安全に係る情報をオープンにしていく姿勢・文化の構築が必要になります。
経済産業省のレポートを見ても、リコール件数や製品事故件数の推移は増加傾向にありますし、同様に国民生活センターへの問い合わせも多くなっております。
『メイドインジャパン』の神話は崩れてしまったのでしょうか!?
リコール件数
日本国製のリコール件数は近年増加傾向にあり、2007年の独立行政法人製品評価技術基盤機構の集計によれば194件となっています(図131-1)。
こうした背景には、製品事故そのものが増加傾向にあることに加え、安全に対する国民の関心が急速に高まっていることを受けて、企業側もリコール情報を積極的に公開するようになっていることが挙げられると言えるでしょう(図131-2、図131-3、図131-4)。
隠していても良い事はありませんし、そればかりか、更に大きな損害になるからです。
上図を製品別に見てみると、燃焼器具や身の回り品の事故件数の増加が目立ちます(図131-2)。
さて、では「そもそも」・・・、故障や不良、不具合と言った言葉の違いは何なのでしょうか?
私達は、この言葉の定義を正しく理解し、言葉を用いなければなりません。
故障と不良と不具合
まず故障ですが、故障とは
1.機械や身体などの機能が正常に働かなくなること。
2.物事の進行が損なわれるような事情。さしさわり。
3.異議。苦情。
とされています。
我々製造業で考えると、故障とは「製品の使用段階で発生する」ものですので、市場で製品が壊れた場合を指します。
■不良
不良とは、状況が悪い状態のことです。 一般に「良好」と反対の意味に使われる単語とされています。
要求される機能を実行できない状態ですので、基本的には製造工程中で検出される場合が殆どです。
■不具合
不具合とは、「物事の調子や都合、状態が悪いこと。具合が良くないこと」とされています。
工業製品やソフトウェアでは「仕様の不明確さ、設計時の想定外、品質のバラつきなどを原因とした責任の所在が不明確な障害や欠陥、不良品、バグ」を表す言葉としても用いられます。
1.具合のよくないこと。調子が悪いこと。
2.特に機械・システムなどがうまく作動しないこと。そうした箇所。
ですので、上記の不良とは少し意味合いが違います。
調子が悪いものの、状態が悪いわけでは無いのです。
基本的には製造工程中で確認されますが、必ずしも不良や故障に直結した話しではありません。
故障とは、外部要因から起こる結果として発生する不具合である
まさにコレです。
まず製品には、外的要因がかかります。それは「想定された」外的要因なのです。
温度、湿度、外力、磁気、電圧・・・、様々な環境因子が、製品には加わります。例えば自動車のように、その製品が本来の機能を発揮する事で、加わる外的要因(車の場合は振動など)も存在するので、製品に加わる外的要因は実に多岐に渡ります。
そして次に、その外的要因から影響を受けた「対象内部」が、徐々に摩耗して欠陥に至る事(結果)になるのです。
ココで紹介した「想定された」という部分を、是非覚えておいて下さい。
この話題、次回に続きます。。。(・∀・)
無料メールマガジン
ランキング協力のお願い
ブログランキングに参加しています。よかったらポチッと
応援よろしくお願いします。m(_ _)m
[contact-form-7 404 "Not Found"]